採集記 2001.05.19 栃木県南部編

オオクワ♀たこ採れ初体験



プロローグ


栃木のなべさん、福岡の古賀さんと次々に採集報告が届く。
まだ、5月も半ばだというのに既に今年のオオクワ戦線は早くも活発化してきているようである。
私はと言うと、夏の燈火採集に徹底的に行きたいと思い、昨年から他の採集は全て我慢してきたのである。
が、更に栃木のなべさんの採集報告(20頭以上採ったとのこと)を聞くに連れ、遂に我慢も限界に達した。
この週末、何はともあれ林の様子を見に行くことにする。
ちょっと行って採れるとは思えないが、まぁ、気持ちだけでも納めないことには仕事も手に着かないのである。

と言うことで、どこに行こうか考えて週半ばまで過ごしていた。
が、水曜日、なべさんから、
  「今度の土曜日、栃木オフしませんか?」
と言う素晴らしいお誘いを受けてしまった。
実を言うと、今週末は出勤日なのである。
悩んだのではあるが、結局参加させていただくことにした。
前日、スズリさんから連絡が入り、スズリさんも栃木オフに参加するとのこと。
当日朝、6:30にスズリさんのお宅で待ち合わせすると言うことで決定した。



集合


通常だと、我が家からスズリ邸までおよそ2時間くらいかかる。
今日は朝まだ早いので、もう少し速く着くかなとは思った。
が、遅れては申し訳ないと思い、4:30に出発。
順調に道を進む。
しかし、順調すぎて1時間チョイで到着してしまった(^^;
しばらく車の中で寝ていると、遂にスズリさん登場。
まだ、6時チョイ過ぎである。
が、これまた少々の準備の後、早速出発することに。
採集に行く日の朝は心が躍るのである(^^

最終待ち合わせ場所には朝7:30集合予定であった。
が、早め早めに進んでいる関係で7時前には到着しそうである。
コンビニに回り道して飲み物などを購入してから行ったのであったが、それでも7時頃の到着となってしまった。
もちろん、なべさんはまだ来ていない。
  「いくら何でも早すぎたか」
と思っていると、すぐになべさん登場。
車が来たので手を振って合図をしていると、他の既に来ていた車から誰かが降りてくる。
YAMAさんであった。
なんとYAMAさんも7時前に到着し待っていたとのこと(^^;
皆さん気合いが入っている。
ちなみに、なべさんはチョット見、小島啓史氏にラグビーをやらせ、体格を更にがっしりさせたようなイメージであった(^^;

しばし歓談の後、なべさんが、
  「今までの成果を見て貰えますか?」
と言うことで、コンテナを車から持ってきた。
開けて、中を見てみるとオオクワ♀がぞろぞろ。
しかも、皆結構大きい。
42〜44mmくらいのサイズが揃っているようである。
朽ち木をのけ、マットを掘ってみるとこれまたオオクワ♀が更にぞろぞろ。
まるで潮干狩りのようである。
う〜ん、凄い。
結局そのコンテナには15♀が入っていたのであるが、他に自分用として7♀分けてあるとのこと。
もちろん幼虫は持ってきていない。
これが皆、ワイルドだというのであるからたまらない。
気持ちは一気に盛り上がったのである。

そうこうしているウチに遂に最後のメンバー、tubasaさんが登場。
このほかに、namihiroさんが来るかもしれないのであるが、子供の大会があり、来られても午後くらいからとのこと。
早速、現地に連れていって貰うことにした。



採集...午前の部


午後2時頃には帰らなければならないと言うtubasaさんだけ自分の車に乗り、スズリさん、YAMAさん、私はなべさんの車に同乗させて貰った。
車を走らせること??分。
どのくらいだっただろう(^^;
クワ馬鹿達が集まって話していると楽しくて、どのくらい時間がたったのか分からない(^^;;
いよいよ、採集ポイントに到着。
はっきり言って、何と言うことのない林である。
  「車を止めた所から山に入っていくのかな?」
と思っていると、
  「このあたりが採集ポイントです」
と、なべさん。
ちょっと拍子抜けしてしまった(^^;
が、まぁ、そこは実績のあるなべさんの言葉である。
その言葉を信じてみんなが集まるのを待つ。
  「この木が発生木らしいです。」
と20頭からのオオクワを割り出した朽ち木の残骸を見せてくれる。
  「チラッ」
っと、私の目の前を黒いものがよぎる。
が、左前にtubasaさん、前にはなべさん、右前にはスズリさんが陣取っており、少し控えていた私からは確認できない。
  「まぁ、クワガタだったら誰か気が付くか(^^;」
と思って、なべさんの話に注意を向ける。
そのうち、
  「一応、削ってみますか?」
と言うことになり、その朽ち木の残骸を引っぱり出そうとした。
そこで、さっきの黒いものが気になる私は、
  「これは?」
と手を出す、と同時に、tubasaさんの、
  「あっ、オオクワだぁ!」
の声。
現地到着3分のウチに、早速1♀を採集してしまった(^^;;;
なんだか、98年6月20日の韮崎の記憶が蘇る。
あの時も、先行していたあ〜さん、ウチヤマさん、チヌさんが見逃した♀を私が発見したのである。
サッカーではあまりにも美味しいゴールを「ごっつぁんゴール」と言うらしい。
が、私の場合、どうやら、こんな「ごっつぁん採集」が得意らしい(^^;;
ホント、ラッキィである。

ただ、私の場合、もうこれで満足してしまう(^^;
今日の採集はこれで半分以上終了気分となってしまった。
気合いが入るメンバーがその朽ち木に挑戦している間、私は早速一服していた(^^;
座るところがないのが残念である。
みな、おのおのたこ採れくん、無限大、ガーバーをふるって朽ち木に挑戦したが、いかんせん残骸である。
殆ど根の部分くらいしか残っておらず、削り進むことがなかなか出来ない。
さすがに皆あきらめ、林の中に散っていった。
私はと言うと、半分終了モードとはいえ、なべさんの
  「是非♂を採って欲しい」
と言う希望を叶えるべく、それなりに頑張って樹洞採集に向かったのである。
  「その樹洞でも採ったんですよ」
と言うなべさんの言葉もあったのだが、残念ながら見つからず、更に奥に向かっていく。
100mくらい奥まで進んだのであるが、結局オオクワの追加はならず戻ることにした。

朽ち木のあるところまで戻ってみると、どうやらtubasaさんがオオクワ♀1を樹洞から出したらしい。
さすがに濃いポイントである。
皆気合いが入っており、戻ってきそうな気配がない。
仕方がないので、スズリさんが置いていったガーバーで朽ち木を叩くことにした。
本当は削っているのであるが、あまりにも堅いため「叩く」と言う言葉の方が正しいような気がする(^^;
4〜5回叩いているとなべさんが戻ってこられ、
  「どうですか?」
と聞く。
朽ち木を見て、
  「あ、出てますよ!」
なんと、オオクワ♀が根の間から顔を出していた(^^;
どうやら、叩いていた振動で出てきたらしい。
取り出してみると符節がいくつかとれた♀であった。
親かもしれない。
私はさっきの♀を持っているし、tubasaさんは採ったらしい、と言うことで、この♀はそばに来ていたYAMAさんにあげることにした。

今度はYAMAさんが朽ち木を叩き始めたので、私はまた林の中に戻ることに。
一つ二つ樹洞を覗いていると、またなべさんの声。
  「タカさんちょっと!」
そばに行ってみると、一つの樹洞を覗きながら、
  「ここにいますよ」
ライトを借りて覗いてみると、しっかりオオクワ♀が入っていた。
ピンセットを借りて引っぱり出そうとしたが届かない。
その内、戻ってきたtubasaさんが長いピンセットを持っていると言うことで持ってきてくれた。
こいつなら採れそうである。
が、考えてみるとスズリさんだけがまだオオクワを持っていない。
と言うことで、ここはスズリさんにやって貰うことに。
しばしの挑戦の後、無事、オオクワ♀を引っぱり出すことに成功したのである。
なんとこの時点で(到着して1時間とたっていないと思う)、全員がオオクワ♀を手にすることになった。
凄いぞなべポイント!

また、みんなの気合いが入り林の中に散ってゆく。
少しして、スズリさんが樹洞の中に何か発見。
よく見るとクモだったらしい(^^;
...と思ったら、その奥にまたまたオオクワ♀を発見。
tubasaさんと再び、樹洞の♀に挑戦を開始した。
私はと言うと、一応、全員オオクワを手にしたことだし、まぁいいかと言うことで殆ど終了モード。
また、誰もいなくなった朽ち木をこつこつ削ることに。
少しして、戻ってきたなべさんが朽ち木をひっくり返そうとして、またまたオオクワ♀発見。
今度は私も同時に見つけることができた。 ピカピカの新成虫♀である。
ちなみに、この♀はまたまたYAMAさんへ。
さっきの♀は符節がとれていたので、今度は新成虫を渡したのである。

また、なべさんとこの木を削っていると、なべさん、
  「幼虫がいましたよ」
見ると確かに、オオクワの幼虫のようである。
(って言っても、私にはあまり区別は付かないのであるが...(^^;)
しっかりこの幼虫を引っぱり出し、私が頂くことになった。
ちなみに、自分のケースにしまう際、
  「♂になってくれぇ! ♂になってくれぇ!」
と、祈りを込めたことは間違いのない事実である(^^;;;
その後、スズリさん達の方に向かい、結果を聞いたが、どうやら奥に逃げられてしまい、断念したらしい。
まぁ、みんな採ってるんだし、無理することはないだろう。

その後どうしたかというと、今度こそ、みんな気合いを入れて朽ち木割となった。
本当に堅いのにご苦労なことである(^^;
が、今回は気合いが違うのか、皆ガシガシ削ってゆく。
成虫は出ないものの、幼虫が何頭か出た。
その内、スズリさんが「ポカッ」っと穴を掘り当てる。
中を覗いてみて、
  「オオクワ発見!」
遂に出ましたオオクワ♀。
私の場合と異なり、初めてこの朽ち木の中から割り出したオオクワゲットの瞬間であった。
とりあえず、この♀はtubasaさんのケースの中へ。
最終的に、tubasaさんが持って帰ったようである。

この後、何頭か幼虫は出るものの、もう成虫は出そうもない。
本当に削れるような所はなくなってしまい、他のポイントに移動することになった。
スズリさんがnamihiroさんに連絡しておくと言うことであったので、
  「じゃぁ、チェーンソーを持ってくるように伝えて下さい」
とお願いした。
しぶとく例の朽ち木に未練の残る私だったのである。
と言うのも、実は98年2月22日にhoshiさんが韮崎で割り出したオオクワのことが思い出されていたのである。
あの時も、もう削れるような所が残っていないような朽ち木だったのである。
そんな堅い朽ち木を、hoshiさんだけが持ち得るような根性でガシガシ削り、オオクワ♂を割り出したのだった。
今回だって、hoshiさんくらいの根性があればまだ採れるかもしれない。
とは言え、匹敵するくらい根性がありそうなのはtubasaさんくらいのものである(^^;
根性がない私としては文明の利器に頼るしかないのであった(^^;;;



昼休み


他のポイントと言うことで、ネブトが採れると言うポイントへ案内して貰った。
が、私に限らず、皆さん半分くらい終了モードのような気がする(tubasaさんを除く)。
半分ハイキングのような感じになってしまっていた。
まぁ、樹洞があれば覗いては見るが、何も採れないまま元の朽ち木の場所に戻る。
  「他の場所に行ってみましょうか?」
と言う話もあったのであるが、
  「早めに食事にしませんか?」
との私の意見が通って食事に行くことになった(^^;
一番気合いの残っていそうなtubasaさんが賛成してくれたことが後押ししてくれたようである。
ちなみに、私の場合は、
  「もう疲れたから休憩しませんか?」
と言う意味だったのであるが、tubasaさんの場合、
  「早めの食事なら食堂もすいてるだろうから、早めに食事してもう一がんばり」
と言う意味だったようである(^^;
似ているようだが、まったく違う理由により、何はともあれ昼飯を食べに行くことになった。

ちなみに、私の食べた昼飯はみそラーメンと餃子である。
前日から辛し系のものばかり食べていたせいか、舌が結構荒れてしまっており、みそラーメンが熱くてなかなか食べ終わらなかった。
が、運動した後の飯はうまいのである。
楽しいひとときを過ごすことが出来た。



採集...午後の部


さて、ここから午後の部である。
namihiroさんに連絡を入れると、もう出発したとのこと。
namihiroさんとも、朝みんなで待ち合わせした場所で待ち合わせることにした。
先着して待つことしばし、遂にnamihiroさんが到着。
採集ポイントへ向かうことになった。
が、既にたこ採れの朽ち木は残骸状態である。
樹液・樹洞ではたこ採れと言うわけにはいかないだろう。
namiさんに採って貰えるかどうかはチョット不安であった。

しばし走行の後、採集ポイントに到着。
何処で採ったかなどを説明する。
先程スズリさんが採り逃した木を教え、脚立を登って貰うがやはり見つからないようであった。
  「チェーンソーがあったら、この朽ち木、まだ行けると思うんですけどねぇ...」
と、私。
  「持っていますよ」
とnamiさん。
どうも、namihiroさんはチェーンソーを車に積みっぱなしであったらしい。
と言うよりは、
  「昨日、バッチリ目立ちしておきました」
と言っていたところを見ると、チェーンソーの活躍の場が有るかも知れないと考えていた節もある。
そこで、
  「じゃぁ、この朽ち木の残骸を切ってみて貰えますか?」
と私。
前述の、hoshiさんが割り出した堅い朽ち木のイメージが忘れられないのである。
他のメンバーは半信半疑であったようであるが、構わずやって貰うことにした。
  「ヴィーン」
とチェーンソーが唸り、あれだけ堅い朽ち木を気持ちよく切断してゆく。
ふと、
  「せっかく見つけた発生木を切られてしまい、なべさんはあんまり気分良くないかなぁ...」
と思い、なべさんの方を見るが、思ったほどではないようで安心した。
namihiroさんも同様に感じたのか、なべさんに、
  「やっちゃっていいですかね?」
と聞いている。
  「どうぞ、やってください」
とのなべさんの回答に、安心して作業を進めることとなった。
何度か、切り込みを入れていくウチに、やはり出ましたオオクワ幼虫。
何頭か引っぱり出したのだが、さすがに、何頭かつぶしてしまっていた。
チョットもったいない(^^;
と、そのうち、切り口にぽっかり穴があいた。
  「おっ、穴がありますよ」
と私。
指を突っ込んでみるが、特に感触はなし。
スズリさんが覗いてみると、
  「あっ、いた! 2頭入ってる!」
う〜ん、私の指っていったい(^^;;;
穴の出口を下に向け、トントンと地面に朽ち木の残骸をたたきつける。
スズリさん、もう一回覗いて、
  「あれ? 3頭入ってる!」
う〜ん、私の指!!
更にトントンたたきつけていると、ボロッ、ボロッと2♀が落ちてきた。
続けてトントン。
あ、幼虫が落ちた。
がスズリさんは気が付かず、そのままトントン。
あ、幼虫つぶした(;_;
ようやく3頭目のメスが落ちた来たが、幼虫は駄目であった。
可哀想なことをした...

その後、この朽ち木は最終的に10cm角くらいまで切り刻まれた。
もしかするとまだ幼虫くらいは入っているかも知れないが、さすがにもう成虫はいないだろう。
出てきたオオクワ♀は、スズリさんが一頭、namihiroさんが2頭持って帰ることになった。
namihiroさんは来て30分くらいの内に3♀掘り出して、2♀持ち帰ることになったわけである。
ファイナル・ウェポンを持ち出したとは言え、凄い結果であった。

この時点でまだ午後1時になっていなかったのではないだろうか。
まだ時間があるので、また別のポイントに案内して貰った。
このポイントは既に産廃業者に買い取られていて、近年中には整地されてしまうだろうと言う場所である。
どうせ無くなってしまう林なら、今のウチにどんどん削ってしまおうと言う考えもあるのだが、いかんせん体力が付いていかない。
またしてもハイキングとなった(^^;
が、沼地のそばで、地面もジクジクしているところがある。
先程のネブトポイントより、こちらの方がネブトが多いかも知れないと言う意見が出ていたようである。
他のメンバーはここでも何本かの朽ち木を割っていた。
が、どうやら出たのはコクワの幼虫ばかりのようである。
ちなみに私は...、やはり一服していた(^^;;;
携帯用灰皿は必需品である(^^;



結果


そうこうして、朽ち木ポイントまで戻ってくると1時もとうに過ぎ、tubasaさん、namihiroさんは帰宅しなければならない時間となった。
それぞれたっぷりと楽しみ、満足のいく結果を得て、これで解散することとなった。
本日の成果は、
  オオクワ♀....9頭(スズリ、tubasa、YAMA、namihiro各氏がそれぞれ2頭、私が1頭)
  オオクワ幼虫...7頭(他につぶれたのが3頭)
  ミヤマらしい幼虫...8頭
  コクワらしい幼虫...数頭
と言う結果となった。
考えてみると、私だけオオクワ♀が1頭で、あったが、
  「まっ、いっかぁ(^^」
と言う感じである。
それだけ、採集を楽しむことができたと言える。
ちなみに、今回の採集はみんなでこれだけの成果があったとは言えるのであるが、さて、自分の成果は?となるとチョット判断が難しい(^^;
1♀と言うか、3♀というか...、最後の3♀にも絡んでいるし...
まぁ、1♀+2♀/2人で2♀と言うことにしておこう(^^;



おまけ


スズリさんとYAMAさんの車を止めてある駐車場に向かう途中、あいあんさんからTELが入る。
あいあんさんは檜枝岐に行っていたのであるが、猛雨にたたられ引き返してきており、既に栃木県内に入ったとのこと。
  「じゃぁ、せっかくだから来てくださいよ。」
と言うことで、待ち合わせ場所の駐車場を指定。
そこで待つことにした。
なべさんはまた例のコンテナボックスを持ち出し、
  「これ、良かったら好きなだけ持っていきませんか?」
と言う。
  「あるいは、来週の里子交換オフに出して貰えませんか?」
折角採集したワイルドを、そんな気安く...
と思った私であるが、
  「いくら何でもこんなに飼い切れません」
と言うなべさんの言葉に、
  「そりゃそうか(^^;」
と思った私は、
  「じゃぁ少し貰っていきます。」
と、有り難く頂くことに。
2♀を自分用に頂き、5♀ほど里子交換オフ用に分けさせていただいた。
もっとも、自分自身はどうやら里子交換オフには出られそうもないため、最終的にこの5頭はスズリさんに持っていって貰うことにした。
結局、私が持って帰るのは3♀1幼虫となった。
なんておいしい採集オフなのだろう(^^;

しばし、あいあんさんを待ち、手持ちぶたさなため「かわらポイント」などを案内して貰ったが、あいあんさんはまだ到着しない。
そのうち、あいあんさんが連れてきたのか、北の方で雷さえ鳴る始末。
土砂降りに気配に、遂に合流をあきらめ、あいあんさんにTELした後、解散となった。



エピローグ


これだけたこ採れをすると、本当にワイルドかどうか疑う向きもあろうかと思うので、その点について少し触れておくことにする。
まぁ、確かに親がワイルドであったかどうかは証明する術はない。
また、樹洞で採れたオオクワ♀も、「持ってきた奴を貼り付けたのではない」と言うことを証明する術はないのである。
が、あの朽ち木に埋め込むことはチョット無理であろう。
我々が削ったのは、本当にカッチカチの朽ち木の根の部分だったのである。
幼虫の内に、もっと柔らかいところに埋め込んで、1年経って収穫に来たと言う線は残るのであるが、そこまで考えていたらキリがない。
と言うことで、本当にワイルドかどうかなど証明する術はないが、実際に現場に立った私の感覚としてはやはり「ワイルド」であった。
信じて貰うしかないのであるが、私自身はワイルドであると考えている。

で、今後のこのポイントであるが、実は、発生木を削り尽くしてしまったので、今後これだけのたこ採れはチョット期待できないように思われる。
採り逃した♀も何頭かいるので絶滅と言うことにはならないと思うが、今回の採集圧は若干厳しかったかも知れない。
まぁ、他にも発生木があっても何ら不思議はないので、少なくともまだ細々とは採集出来るとは思う。
が、決して広いポイントではなく(と言うか、狭いといって過言ではない)、公表するわけにはいかない。
と言うわけで、申し訳ないが、いつも通りこの場所を教えることはできない。
この採集記を読んで頂いている方々には、是非、こんなたこ採れを目指して、新たなる採集ポイントを探し出して貰いたいものだと思う。
  「たこ採れ、たこ採れ」
と書いてきたが、実は発生木を1本見つけただけのことである。
きっとこんな場所はよそにもいくらでもあることと思う。

最後に、折角自分で苦労して探したポイントを紹介していただき、こんなおいしい思いをさせていただいたなべさんにお礼の言葉を述べて今回の採集記を終わりたいと思う。

本当にどうも有り難うございました。

また、本当に楽しい一日を過ごさせていただき、重ね重ね有り難うございました。