採集記 2000.09.01〜02 長野・新潟・福島編

あれっ!?



プロローグ


先週新潟産のオオクワ♀を採集し、ついに満願成就となった。
本来、今年の予定は、
  「さっさと檜枝岐、新潟産のオオクワを採集して、長野や山形のポイントを探す」
と言うことであったため、さすがによそに回りたい。
とは言うものの、さすがに採集疲れも貯まっており、あまり遠出はしたくない。
そこで、今回は長野方面に向かうことにした。
我が家は埼玉県にあるため、長野であればそれ程遠くはないだろう。

ただし、土曜日9/2には、恐らく今年最後であろう群馬支部採集オフが檜枝岐で開催されるため、長野を回れる時間はそうそうあるわけではない。
本来なら会社を終えて出発したいところなのではあるが、さすがにそれでは時間がとれないため、金曜日9/1は午後休暇として出発することにした。



長野


午後1時、採集に出発する。
足取りも軽く、...と言いたいところなのであるが、最近どうも採集疲れが出てきているようである。
面倒なので、途中まで高速を使うことにしてしまった(^^;
圏央道から関越にのり、採集予定ポイントに向かう。
もっとも、採集予定ポイントとは言っても、長野方面での採集は初めてであるため、それ程「ここ!」と言った目的地があるわけではない。
地図で見て、「この辺ならいそうなんじゃないかなぁ」と言うところに行くわけである。
そう言えば、昨年もこんな感じで新潟ポイントを探したなぁと感慨が深い。
採集シーズンを終えた後、探したポイント近辺が有名新潟ポイントになったことを知った。
今年の採集地探しはどうであろうか。

高速を降り、採集できそうなところを探す。
が、どうにも辺りが都会である(^^;
いくらなんでも、こんなんじゃクワガタは採れないぞ(^^;;
仕方が無く、殆ど街灯を見ることもなくどんどん道を進む。
しばらくして、ようやく田舎道風になってきたので、街灯探しを始めることにした。
が、何もいない。
まぁ、時間もまだ早い(PM7時頃)のでやむを得ないかも知れない。
今夜は(って、一般人から見ると既にそろそろ夜の部類なのであろうが、夏の私にとっては、夜とは午前0時を過ぎた頃からのことを言うのである(^^;)檜枝岐への大移動を行わなくてはならない。
従って、この際、本格的な捜索は帰り道に行うことにして、構わず、どんどん道を進むことにした。

さすがに、進むにつれて道の両脇が田舎らしくなってくる。
そのうち山道になってきて、
  「この道、Uターンして戻れるのだろうか?」
とか、思っていたら、遂に行き止まりとなってしまった。
幸い、そこは何かの現場か、工場のような所で、少し広場になっていたため帰りの心配はない。
入口に水銀灯が点いていたので、車を降りて確認してみることにした。
近づいてみると、
  「おや? 黒い影!」
結構、大きさもあるのである。
  「ひょっとしてこれは?」
と思い、更に近づいてみると、
  「なぁ〜んだ、ノコ♀じゃん」
世の中そんなに甘くはないのであった。(^^;

とは言え、とりあえずクワガタが採れたことに勇気を得た。
付近をもう少し探してみると、
  「おっ! あれはでかい!!」
  「ひょっとして、オオクワ♂!?」
が、なんとカブ♀であった。
やはり、世の中そんなに甘くはない。(^^;

そろそろ時間も頃合いのようであり、どうせ、道も行き止まりだったため戻りながら探すことにする。
来た時には、クワガタのクの字も見あたらなかったのであるが、やはり時間が早すぎたのが問題であったのだろう。
帰りは、ちらほらと、アカアシ、コクワなどが採れる。
ついにはミヤマまで採れて、既に、カブ♀を含め5目となった。
こうなると、目指すはオオクワのみである(って、最初からオオクワしか目指してないが(^^;)。
街灯があるたびに車を降り、目を皿のようにして探すが、やはりオオクワはいない。
結局、もう少し数は採れたものの、所詮は最初の5目を外れることなく、町中に戻ってしまったのである。

仕方がないので、「檜枝岐に向かうか」とも思った。
が、折角長野方面に来たのでもあり、別の方面にも向かってみることにした。
往復距離にして100kmくらいは走ったのであろうか。
結構、距離は稼いだような気はしたが、クワはあまり稼げなかった(^^;
採れたのは、やはり5目内の虫たちである。
まぁ、今回は初の長野方面でもあり、やむを得ないところであろう。
時間も12時近くになってきたので、そろそろ檜枝岐に向かうことにする。



福島


群馬支部採集オフは夕方から開始である。
まぁ、徹夜と言うわけには行かないので、どこかで寝る必要はあるだろうが、とりあえず時間はあるのである。
と言うことで、12時過ぎに檜枝岐に向かっているのであるが、途中途中の街灯で停車、捜索をした。
相変わらず、採れたのはコクワ、アカアシ辺りであった。
まぁ、時間も遅いことであるし、町中であることも多いので、やむを得ないであろう。
この時間になると他の採集者とバッティングしないのだけは幸いである。
が、ある水銀灯の下に来ると、なんだか見たような車が止まっている。
  「まさかねぇ(^^;」
と思って近寄ってみると、やはりOB5さんであった。
う〜ん、この時間にバッティングするかなぁ。
ちなみに、OB5さんも檜枝岐への移動中だったのである。

しばし歓談し、同じ場所を捜索したりしたが、私としては、
  「今日はもう採れないだろう」
と思っていたし、OB5さんが探しているところを邪魔しても悪いかと思い、先を急ぐことにした。
で、いわゆる有名ポイントを過ぎ、標高も高くなって、殆どの人が見向きもしない場所に着く。
ただ、ここには水銀灯が煌々と輝いており、もう少し標高が低ければ、採集者が殺到してもおかしくない雰囲気は持っているのである。
つまり、単に有名ではなく、また、標高が少し高そうな感じがするだけで採集者が来ないようなのである。
私も今までは殆ど注目していなかった。
ちなみに、ここは道路工事現場で、ブルが停まっていたりする。
  「まっ、一応探しておくか...」
と、車を降り、水銀灯の下に行くと、あにはからんや、コクワ♀、ノコ♀が採れた。
更に探してみると、カブ♀、アカアシ♂、カブ♀、アカアシ♀と次々に拾える。
多少条件が悪くても、採集者が入りにくいポイントの方がクワそのものは採れるのだろう。
オオクワは採れないかもしれないが、これだけ連続で拾えると面白い(^^
  「ここは、次回からマイポイントとしておこう」
などと、密かに決心したりした。

さすがに、水銀灯周りにはクワがいなくなり、
  「他にはいないかな?」
と、捜索範囲を広げる。
ブルの所に来て、ブルの下を除いてみると、
  「あれっ? オオクワの♂が落ちてる。 どうしたんだろう?」
いや、本当はどうしたもこうしたもない。
オオクワ♂ゲットの瞬間なのである。
が、何故か私の感想はそんな感じであった。
まさか採れると思っていなかったので、あまりに現実感に乏しかったからかと思われる。
今までで一番感激の少なかったゲットの瞬間であっただろう。

とは言え、徐々に感激が沸き上がってきて、言い知れない喜びが沸いてくる。
もう少ししたらOB5さんが通るはずである。
来たらOB5さんを捕まえて、一緒に感激に浸りたいものだと思い、しばし休憩とした。
少しして、案の定OB5さんがやってきた。
当然、ここにも立ち寄るんだろうと思って待っていたら、な、な、なんと、通り過ぎてしまった(^^;
やはり人気がないのね>このポイント(^^;
この際、一緒に感激に浸るのはあきらめるとしても、ノギスを借りてサイズくらい測りたいと思い追いかけることにする。
が、飛ばす、飛ばす(^^; >OB5さん
  「こりゃ、追いつかないかな」
と思った頃、次の水銀灯の所で、停車して車を降りていた。
  「じゃぁ、なんでさっきの所で停まらないかなぁ?」
とも思ったが、多分、こんな採れそうもないポイントで私とバッティングしてもつまらないと思って、次に向かってくれたんだろう。
で、私もそこで車を降り、
  「済みません、ノギス持ってないですか?」
  「えっ? 採れたの?」
とOB5さん。
やはり、あんな所で採れるとは思っていなかった様子であった。
とは言え、車に戻ってノギスを持ってきてくれ、測ってみたところ62mm。
もう少し大きいかとも思っていたのであるが、まぁ、充分な大きさであった。
恐らく、ブリードもので62だと、「小さいかなぁ」と思うところなのであろうが、ワイルドで現地で見るとでかいのである。
多分、採集したことのない人には分からない感覚なんだろうなと思う。
(って、偉そうに言っても、私自身、オオクワ♂は瀕死の奴しか採ったことがなかったのであるが...(^^;)

と言うことで、さぁ、後は翌日の群馬支部オフを迎えるだけである。
檜枝岐に向かって、ゆっくりすることにしよう。



檜枝岐−朝


その後、特にこれと言ったイベントもなく、無事檜枝岐に到着。
一応、その辺の街灯下を探してみたが、コクワ一頭採れなかった。
ま、そろそろ夜も明けかかっており、やむを得ない線であろう。
  「どこかに寝場所を探さなくっちゃね」
と、車を進めていくと、某地点であいあんさんを発見。
灯火セットを片づけているところであった。
ライトトラップをやるとこれが大変なのである。
多少手伝いながらも、半分寝ている私としては、殆どを呆然と眺めていた。
まぁ、一緒にライトトラップをやったはずのシーラ氏ですら寝ているのだから、今来たばかりの私としてはこんな所だろう。
...って、なんと友達甲斐のない(^^;;;
あいあんさんは最後に竹箒を持ち出し、地面を掃いていた。
今回は駐車場をお借りしてライトトラップをやったため、まぁ、妥当な線であろう。
が、これが結構、そのまま帰ってしまう人も多いのである。
畑とか、じゃり地ならともかく、コンクリの駐車場を借りてトラップした場合は、この程度の片づけはやって貰いたいものである。
(とは言え、これが大変なんだ(^^;)
そのうちシーラさんも起き出してきて、今日これからどうするかの話題になった。
そうそう、その前に昨夜ゲットしたオオクワ♂の話題を行ったのは当然のことである。



檜枝岐−ヒメオオ採集


私としては寝てない所為もあり、当然この昼間は睡眠時間の予定だったのである。
が、さすがにその辺は自他共に認めるクワ馬鹿である。
  「これからヒメオオ採りに行こうと思うんですけど」
と言われると、どうにも行かないわけにはいかなくなってしまう。
  「んじゃ、午前中だけ行ってみようかね」
と言うことで、ヒメオオ採集につき合うことになった。
が、実は、これが大当たり。
恐らく、この日に行かなかったら後悔していただろうと思われる。
  「今日はチョット新林道に行ってみようと思うんですよ」
と、あいあんさん。
シーラ氏も含め、その新林道へ向かうことにした。
で、この辺が曖昧なのであるが、多分、その段階で既にBOZEさんが到着しており、一緒に新林道に入ることになったように思う(^^;

新林道と言っても、所詮は広沢林道ではないのである。
どれほど採れるかは分からない。
まぁ、もともとヒメオオ採集が苦手な私としては、1〜2頭も採れれば上等であろう。
それどころか、眠気に負けて採集するかどうかすら分からないのである。
  「ま、いいや」
と言うことで、網すら自分の車に置いてきてしまった。

新林道に入って少しすると、左手にヤナギの群生を発見。
クワが付いているのが見えるが、あいあんさんの5mの網でも届かない。
  「まっ、アカアシでしょ」
っと、余裕でパス。
更に先に進む。
そのうち、ポツポツとヤナギが見えてくる。
一々車を止めるのも面倒だし、第一、車から降りるのも面倒な私があいあんさんと運転を代わり、いつものように車を転がしながら、みんなが歩いて採集するのに付いていくことにした。
が、これが結構採れているようであった。
半分寝ていて、たまにしか車から降りない私ですら、3頭のヒメオオを発見。
内1頭をゲット。
ちなみに、網を持っていない私としては、当然のごとく素手での採集であった。
サイズは50mm。
まぁ、そこそこ大物であったであろう。
で、以前から書いていることであるが、私が3頭発見している以上、あいあんさんは30頭は採集しているわけである。
正確な数は分からないが、それ以上の成果を上げていたものと思われる。

が、私はさすがにこの辺でダウン(したはずである(^^;)。
あいあんさん達がこの後どうしたか記憶にない(恐らく広沢林道に向かったのではないだろうか?(^^;)が、私はこの採集で別れて、窓開けの湯に向かうことになった。



檜枝岐−夜−群馬支部オフ


さて、檜枝岐と言えば雨である。
当然ながらこの日も雨が降っていた。
後は、夜を待つだけの私としては、いつもの焼き肉フロンティアから帰ってゆっくりしていたが、雨は完全には上がりそうもない。
時々、雨が降っていない時間帯もあるが、しばらくするとまた雨が落ちてきてしまう。
今日はきっとこんな天気が続くのであろう。

ところで、今日は本来なら、昨日あいあんさんがライトトラップをやっていた場所で群馬支部オフの予定であった。
が、行ってみるとそこには既に採集者が...
結果的には神奈川支部の連中だったのであるが、そもそも、そんなに広い場所ではないので、群馬支部オフは場所を変えて行うことになった。
いつものように、群馬灯火システムをセット(今回は、水銀灯1500Wシステム+ブラックライトシステムの2セット)し、バーベキューを食べているとやはり雨が降ってきた。

...と、ここまで書いたが、この後、群馬支部採集オフの様子は、群馬支部のスズリ氏、namihiro氏の採集記に委ねることにする。
両氏の採集記は、
  スズリさんの採集記
  namihiroさんの採集記
にあるので、こちらをご覧いただきたい。

なぜなら、私はこの後クライマックスを迎えるまでの間..........寝ていたのである(^^;;;
雨中での採集も決して不可能ではない。
私が瀕死のオオクワ♂を採ったときも雨が降っていた。
r.matsuda氏が思いっきり雨が降っている中で明け方まで粘って1♀採集したときにも一緒に行っていた(私は寝ていたが...(^^;)。
今回だって、決して採れないと決まったわけではないのである。
が、既に昨日62♂を採って余裕があり、また、夜中は車を走らせ通しで、3時間くらいしか寝てない。
それに、今回は群馬支部のみんなと帰らなくてはいけない義務がある(^^;
いつもなら一人で来ているわけなので、眠くなったらいつでも寝られるのであるが、今回はそう言うわけにもいかない。
第一、雨中の採集も不可能ではないとは言え、やはり採れない可能性の方が高そうな気がする(^^;
可能性が薄い採集に時間を割くより、この後のことを考え、ここは寝ておくべきであろう。
...と言うことで、あっさり睡眠時間となったのであった。

が、どのくらい寝たのであろう。
車の窓をたたく人がいる。
  「そろそろ帰るのかな?」
などと、ぼけた頭で考えながら窓を開けると、
  「採れましたよ!」
とnamihiroさん。
な、なにぃ〜〜〜!!
まさか、こんな雨の中...
  「♂です。でかいですよ」
な、な、な、なにぃ〜〜〜!!
行ってみるとなんと67の♂であった。
採集者はスズリさん。
スズリさんはそれ程採集に熱が入っているとは思えないのであるが、支部オフに来るとしっかり採集して帰る。
今回もきっちり対応したのであった。
  (この頃は採集好きで来ているのか、つき合いが良くて採集に来ているのかが分からなかった。
   が、9/18、9/25と単独、もしくは、いつも以外のメンバーと採集に行くにつれ、
     「実はスズリさんもはまってたんだ!」
   と、思い知ったのであった(^^;)

しかも、この67♂の所為で、私の62♂が霞む、霞む(^^;
今回この採集記を書いておかなかったら、今度の夏には採ったことを忘れられているかも知れない(^^;;
いやぁ、今や年も明け、1月となってしまったが、ようやくこの採集記にたどり着けて良かったなぁ。
本人ですら、採集したことを忘れてしまったかも知れない。

ちなみに、この♂を採集した時のスズリさんの感想も、
  「ん〜〜? あれ? オオクワのオスだ!!」
と言うものであったらしい。
どうも、♂をライトで採ったときの感想はこうなってしまうようである。
不思議である。



エピローグ


いつものことであるが、誰かが採集した後は、皆一気に盛り上がるのである。
その後、一斉にクワ捜索を開始したことは言うまでもない。
が、結局、今回はこの1頭だけ。
群馬灯火システム記念の第20頭目をもって今年の群馬支部採集オフを終えた。
ちなみに、私はこの間の睡眠がそこそこ効いたようで、眠いながらも無事皆と帰ってくることが出来た。

恐らく、また来年も、群馬支部採集オフは開催されるものと思われる。
是非また、参加したいものであると考えている。
なぜなら、群馬支部採集オフでは1頭も採れていない私なのであるが、何故かその前日にオオクワゲットしていることが多いのである(^^;;;




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