採集記 2000.06.15 福岡・佐賀編
あこがれの筑紫平野へ




プロローグ


それまで晴れ間さえ見えていたのである。
が、電車が天拝山駅を過ぎる頃からポツポツと雨が降り始め、原田の駅に着いたときにはかなりの量の雨となってしまった。
  「銀色のワゴン、銀色のワゴン...っと」
原田の駅で降り、待つこと10分くらい。
お、あの車かな?
  「あのぉ、香川さんですか? 初めまして、タカです」
いや、もちろんハンドルで名前を言ったわけではないが、まぁ、その辺はご勘弁を(^^;
で、遂に香川さんにお会いすることが出来た。
香川さんとはNifty時代からの知人であったが、いかんせんこちらは関東、香川さんは九州と言うことで、今回が初めてのオフミであった。
(香川さんについてはオオクワガタフォーラム参照のこと)



古賀さん


実はこの日、天気予報によると降水確率60%とか出る、とんでもない日であった(^^;
当初、hoshiさんも同行を予定していたのであるが、家庭の事情もあり、またこの天気予報でもあり、結局不参加となったのである。
が、私の場合、そもそも出張で福岡に行くことになっており、ならば、折角だから一度香川さんにお会いしてみたいと言うことで、この際、雨だろうが雪だろうが、とりあえず香川さんにはお会いする事にしたのである。
昼間、福岡についてみると意外や意外、青空ものぞいている様な天気であった。
こりゃ、ラッキィかな?
と思い、待ち合わせの場所に向かい、最後の最後に雨に降られてしまったわけである。

  「とりあえず、古賀さんのウチへ行くことにします」
と、香川さん。
古賀さんというのは、2000年6月号の月刊むしにも投稿されていた方で、福岡、佐賀さんのオオクワを50頭近くも採集されている方である。
(もっとも、1週間前までは月刊むしの記事も読んでなかった(^^;>私)
私は知らなかったのであるが、 オオクワライフと言うHPも作っておられ、月刊むしに投稿されている内容以上の採集記がアップされているので是非ご覧あれ。
そして、古賀さんの家に着く頃には雨もほとんど上がり、ちょっとパラパラと来る程度になっていたのである。
  「初めまして、宜しくお願いします」
などとやって、直ぐに香川さんの車に乗り込み、いよいよ筑紫平野のオオクワポイントへ向うことになった。



何はともあれ福岡ポイント


  「まだ明るいからとりあえず食事にしましょうか?」
とか言っていたのであるが、結局目指したのは福岡ポイント1。
う〜ん、さすがにクワ馬鹿達である(^^;>私も含め
そして、いよいよ日本三大産地と言われる筑紫平野ポイントへ。
  「うわぁ、こんな所でオオクワ採れるんですかぁ!」
と私。
実際に言葉に出したかどうかは定かではないが、少なくとも心の中ではそう思っていたのである。
そこは、田んぼが周りにあり、用水路が流れている横の三角地のような場所で、クヌギの木は3〜4本しかない。
もちろん、林などと呼べる代物ではないのである。
何しろ、クヌギ以外の木を含めてもせいぜい6〜7本の木しか生えていない。
噂には聞いていたのであるが、韮崎、檜枝岐を主に攻めている私としては信じられないようなポイント(本当にポイント)であった。
多少小雨混じりでもあり、気温も低く、空もまだ明るかった。
さすがに、このポイントではクワガタを見ることは出来なかった(コクワくらいいたかな?)。
が、遂に噂の筑紫平野のポイントを見ることが出来、私は感動に打ち震えていたのである(そこまで大げさじゃなかったかな(^^;)



久留米ラーメン


もう一ヶ所ポイントを回った後、食事をすることにした。
(もしかすると、もっとポイント周りして貰ったかも(^^;)
一応、ラーメン屋なのかな?
そこで、久留米ラーメンを食べることに...
実は、折角福岡に来たのだからと言うことで、数時間前に博多ラーメンを食べていたのである。
が、久留米ラーメン出てきてびっくり!
  「博多ラーメンと何処が違うんだぁ?」
う〜ん、食べ終わっても結局違いが分からなかった(^^;
分かったのは、どっちもうまかったと言うことくらいであろうか。
ま、なんにせよ、うまければいいか(^^



いよいよ5本クヌギのポイントへ


私はずぼらなことではそうそう人にひけは取らない(^^;
が、さすがに下準備として古賀さんの月刊むしの記事は読んでいったのである。
その中で、たびたび登場していた5本のクヌギが並んでいるポイントへ行くことになった。
古賀さんは、ここをグルグル見て回ることによって、何頭ものオオクワをゲットしていると言うことである。
空も暗くなってきており、期待が膨らむ。
いったい、どんなポイントなんだろう。
...先程もいわゆる福岡ポイントを見せていただいたのである。
が、それでも私のイメージとしては、林の中にある何本ものクヌギの内、いわゆるオオクワが着きそうな5本のクヌギを見るのだと思っていた。
 「おぉ、これが噂の5本クヌギですかぁ!」
と、着いてびっくり。
川(池?)の横に5本、3〜4mの間隔を置いて、クヌギが並んでいるだけである。
  「う〜ん、恐るべし福岡ポイント!」
とは言え、残念ながらここでもオオクワの姿は見られず。
いたのはコクワくらいであった。

どうも、今年はオオクワの出が遅れているらしい。
...と言うより、こんな感じのポイントである。
ひょっとして、昨年、古賀さん達が取り尽くしてしまったのでは?
などと思えてしまう私であった(^^; >何しろ、ポイントが小さいもので...
(実際には、このほんの一週間後から、再び古賀さんの採集ラッシュが続いています)



筑紫平野の採集を堪能する


で、この辺まではまぁ、何とか思い出せるのである。
が、この後、何ヶ所のポイントを回って貰ったのか、どうにも分からない(^^;
古賀さんは、
  「是非ワイルドオオクワの姿を見せてあげよう」
と思ってくれたらしく、あっちのポイント、こっちのポイントと惜しげもなく回ってくれた。
福岡ポイントを回った後、佐賀県側に移り、更にポイントを回る。
ついには、これらのポイントから更に離れた丸秘ポイント(?)まで回ってくれることに。
多分ここは、6/1に2♂をゲットしたポイントなんだろうと思う(が、良く分からない(^^;)。
結局見られたのは、ヒラタ(60mmオーバーの♂を含む)、ノコ、コクワなどであったが、
   ホンッ〜ト〜に筑紫平野の採集を堪能
させていただいた。



エピローグ


実はこの晩、香川さんのお宅に宿泊までさせていただき、更に至れり尽くせりの採集だったのである。
お二方にはもう、お礼の言葉もないくらいである。
もちろん、関東に来られた際には、是非とも、韮崎でも、檜枝岐でも案内させていただく所存である。
(ウチからだと、どの採集地も、東京駅も、羽田空港も遠いのが申し訳ないのであるが(;_;)

結局、残念ながらワイルドオオクワの姿は見られなかった(もっとも、洞に逃げ込んでしまい採集できなかった奴もいたので、もしかすると見るだけは見られたのかも知れない)。
が、何故かウチには福岡ワイルドF1のペアが増えていた(^^;
♂のサイズは73、♀は46である(もちろん、古賀さんからの頂き物である)。
こっちは勝手に押し掛けて行ったと言うのに、こんなとんでもないお土産までいただいてしまい、更に恐縮する次第である。
何度も書いてしつこいようであるが、最後にもう一度、
   香川さん、古賀さん、本当にお世話になり、ありがとうございました。
と言うことで、筑紫平野の採集記を終わることにする。




PS


筑紫平野のオオクワポイントは、ひとつひとつは非常に小さく、そして広く存在していた。
韮崎や檜枝岐しか知らない私にとっては、本当に驚くような採集地であった。
何故、あんなところが日本三大産地のひとつに数えられるような多産地なのか、今でも不思議なくらいである。
が、もし、韮崎級の採集圧が掛かると、あっという間に採集できなくなるのではないかとの心配もある。
もちろん、こんな事は杞憂に過ぎないのかも知れないが、芯からそう思わせるようなポイントだったのである。
この素晴らしい産地が、いつまでも栄えあることを切に希望するものである。




HOME