採集記 1997.06.26 都内編



プロローグ


1997年06月26日、珍しくヒラタ狙いの採集に行って来ました。
先日NiftyのFPATANYの採集オフがあったのですが、その時にEさんに見せていただいたヒラタが非常にかっこよく見えてしまったからです。
それまではヒラタの大顎ってやけにひょろ長くて、オオクワに比べるとなんだか頼りなくて、いまいち興味を引かれませんでした。
当然、今までに意識した採集経験はありません。
昨年、初めて韮崎に行ったときに偶然♀を1匹ゲットしただけです。(これはこれで貴重な経験だとは思いますが...)
果たして、その結果は如何に。

そうそう、関西以西の方、特に九州在住の方にとってはヒラタなんて普通種なのだと思いますが、関東以北の者にとっては、ヒラタは貴重だと言うことはお知り置き下さいね。



午前中


午前中は会社で仕事をしてました。(^^;
なぜなら今日は平日なのです(木曜日)
本日の目的地はすべて都内のため、あえて平日を選びました。
なぜなら、都内の週末だときっと人がいっぱいいて、採集どころではないと思ったからです。
それに、既に誰かが来て採られてしまっているかもしれません。
でも、平日なら比較的大丈夫なのではないかと...
木曜日なら、月から木曜日の間に生まれた奴もいるかもしれないですよね(^^)
(週末になると、また採集されてしまってやり直しの可能性もありますが...)
と言うわけで、今日は午後休暇です。(^^)



午後 −3時くらいまで−


まずは、虫社発行の「クワガタムシ飼育のスーパーテクニック(小島啓史氏著)」にも書いてあった練馬区の某公園に向かいます。
ここはσ(^^;の実家から比較的近く、子供の頃にも何度も来ています。
まず、周りを回ってみるとクヌギの大木などもたくさんあります。
これは期待できそうですね。
と言うことで、本気で探し始めますが、樹液が出ている木が...ない!
本っ〜気で乾いてしまっています。
公園と言うことで下生えもきれいに刈られており、そのせいでしょうか。
σ(^^;の探し方や時期も悪いのかもしれませんが、見事に駄目です。(;_;)
せっかく午後休暇にしてきたのに、そりゃないよぉ...



午後 −3時以降−


これじゃどうしようもないので、新宿(池袋のワクワクランドに新宿区産のヒラタクワガタが売っていたのです)でも行くか、いっそ多摩川流域まで行くかと考えながら、少し南下します。
その時、ふと思い出しました。
確か、EさんはS区の公園近くでゲットしたと言っていました。
現在地からはちょっと遠いのですが、この際行ってみるか。
距離から言うと20kmは無いのでしょうが、さすがに都内。
途中の道路はものすごい渋滞です。
S区公園に着くまでに2時間以上かかってしまいました。(ひぇ〜!)
これで、ゲットできなかったらどうしよう。
でも、オオクワはもっと時間かけて行って、一匹も採れないんだから同じかぁ?

そうこうしているウチに現地到着5時くらい
早速公園内を探索します。 まぁ、それほど大きな公園ではありませんので、そんなに時間はかかりません。
クヌギの木は公園の北側に20〜30本くらい植わっているでしょうか。
もっと多いかもしれません。
一本一本慎重に探していくと、  「おっ、コクワみっけ」
こんな、都内の公園でもけっこうクワガタがいるもんなんですねぇ。
他にも3本の木で合計5匹のコクワを発見しました。
もっとも、コクワならウチのそばでも結構採れますので、捕まえずにそっとしておいてやりました。(^^)

でも、ヒラタはいないですねぇ。
樹液が出ている木すら見つかりません。
せっかくここまで来て、このままじゃ寂しいです。
どうしようかと考えているウチに、またまたふと思いつきました。(^^)/
 「もしもしぃ! Eさんですかぁ?」
はははっ...(^^)
Eさんに電話してしまったんですねぇ(^^;
Eさんは仕事中で、しかもバイクに乗っている最中みたいです。
平日の日中にクワガタがいる場所を聞くために電話するなんてとんでもない奴ですねぇ>σ(^^;
さすがに、
 「あと10分したら電話かけ直して下さい」
と言われましたが、それでも10分後には丁寧に教えて下さいました。
Eさんって、なんて心の広い方なんでしょう(^^)/
と言うことで、Eさんがヒラタをゲットしたのはその公園そのものではなく、その周りにある木であることが分かりました。
実はσ(^^;、この公園に来たのは生まれて初めてで、教えていただいたところを見つけることが出来るかどうか非常に不安だったのです。
しかし、そこは採集にかける根性が違います。(^^;
あっという間に発見しました。(ただ単に、偶然とも言う...(^^;;)

なるほど、樹液ぼろぼろの木が何本か有ります。
 「ん〜、ここならいそうだぁ」
と言うことで、その辺を端から見て回ります。
コクワはやはり5〜6匹は見つけたと思います。
 「でも、さすがにヒラタは駄目かなぁ」
なんて、考え始めた頃です。
後ろ側に蜂がいたので、
 「樹液が出ているのかな?」
と思い、表に回って穴の中を覗いてみましたがやっぱりいません。
でも、ふと上を見ると、
 「いたぁ〜!!!!!」
なんと、普通の樹表、目線の高さにあこがれのヒラタクワガタが!!!
 「うっひゃ〜、ラッキィ!」
とばかりに、思わず
 「わしっ」
っと手が出てしまいました。(^^)
 「いてててて....」
見事に人差し指を挟まれてしまったのでした。
でも、うれしい痛さでしたね。(^^)
ん〜......ま・ん・ぞ・く !!



エピローグ


考えてみると、♀も採りたかったのですが、まあ、充分に目的を果たす事が出来たと思います。
それにしても、都内の、しかもあんなに人が多いところにもいるもんなんですね。
ちなみに、そのヒラタは47mmでした。
ヒラタとしては決して大きなサイズではないのですが、なかなかかっこいいですよ(^^)
その後、このヒラタには愛知のTさんから里子に戴いた♀をペアリングして、見事に13匹の子供を作ってくれました。
但し、σ(^^;の飼育ミスのせいで現在4匹しか生き残っていません。(;_;)
なんとかこの子達だけは立派な成虫にしてやりたいと思います。



怒りのおまけ


実は、心優しいEさんは、とある掲示板でこの採集場所を実名入りで発表してしまいました。
おかげでσ(^^;もゲットできた訳なのですが、なんと、発表した翌週にはもう煙幕玉を入れられてしまったそうです。(−−メ)
確かにσ(^^;がのぞいた穴も青くなっていました。
なんで、そう言うことするかなぁ
煙幕やると、その後しばらくクワガタが寄りつかなくなってしまうそうです。
場合によっては、その穴は二度と使えなくなることもありそうですよ。

プロの取り子の場合、「自分以外には採れない方がいい」なんて考える人もいるらしいのですが、それではあまりに身勝手なように思います。
特にクワガタの場合、下は幼稚園の児童から採集に親しむわけで、そういう「自分だけ良ければいい」みたいな行為は決して許されるものではありません。
ましてや、林の中で火を使う煙幕だけはするべきではないと思います。
これを読んでくれたみなさんは、是非とも煙幕採集だけはやめて欲しいと思います。
どうか宜しくお願いします。

それと、そう言うわけで公共の場であるホームページには採集地名は載せることが出来ません。
また、メールで問い合わせられても、お教えすることは出来ませんので、どうかその辺はお許し下さるよう、お願いいたします。



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